バラクルード はいつまで服用する?治療費の補助や給付金制度についても解説

バラクルード はいつまで服用する?治療費の補助や給付金制度についても解説

B型肝炎ウイルスに有効な治療薬であるバラクルードは、原則として長期間の服用と観察が必要です。

そのため、長期間にわたり継続して 薬を処方してもらう必要があり、医療費の経済的な不安を感じますよね 。

そこで、今回は、バラクルードの服用期間や、バラクルードの処方にも活用できる医療費助成 について、ご紹介していきます。

今回の記事でわかること
  • バラクルードを服用する効果
  • 医療費助成について
  • B型肝炎給付金制度について

B型肝炎の治療でバラクルードを服用する効果

バラクルード(一般名:エンテカビル水和物)は、核酸アナログ製剤という抗ウイルス剤の一つで、B型肝炎ウイルス(HBV)の増殖を抑える効果があります。

バラクルードはいつまで服用する必要がある?

バラクルードはいつまで服用する必要があるのでしょうか。

この点、日本肝臓学会による「B型肝炎治療ガイドライン(第4版)」には、バラクルード等の核酸アナログ治療の中止の必要条件として、以下のように記載しています。

患者背景における必要条件

  • 核酸アナログ治療中止後には肝炎再燃が高頻度にみられ、時に重症化する危険性があることを主治医、患者共に十分理解している。
  • 中止後の経過観察が可能であり、再燃しても適切な対処が可能である。
  • 肝線維化が軽度で肝予備能が良好であり、肝炎が再燃した場合でも重症化しにくい症例である。

核酸アナログ治療における必要条件

  • 核酸アナログ治療開始後2年以上経過
  • 中止時血中 HBV DNA(リアルタイム PCR法)が検出感度以下
  • 中止時血中 HBe 抗原が陰性

引用:日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会編「B型肝炎治療ガイドライン(第4版)」 2022年6月 P54

ただし、これらの条件を満たしていても、バラクルード等の核酸アナログ製剤の服用を中止すると再び肝炎の症状が出たり、重症化したりする可能性もあります。

そのため、バラクルードの服用中止については、必ず医師の指示に従ってください。

バラクルード(核酸アナログ製剤)は医療費助成の対象になる

B型肝炎の患者さまは、医療費助成により経済的なサポートを受けながら治療することができます。
以下では、医療費助成の具体的な金額や、医療費助成を受け取るための方法について、詳しく見ていきます。

医療費助成を受けたときの自己負担額

医療費助成を受けることで、自己負担限度額を超えた金額の医療費の負担がなくなります。

世帯の区市町村民税(所得割)課税年額 自己負担限度額(月額)
23万5,000円以上 月2万円
23万5,000円未満 月1万円

医療費助成を受ける手順

東京都の場合、次のような流れで医療費助成の申請を行います。

  1. 治療を受けていることの証明書などの提出書類を揃える(医師の記載が必要な書類もあり)
  2. 住所地を管轄する特別区、市町村担当窓口に書類を提出する
  3. マル都医療券と自己負担限度額管理票(非課税世帯の方を除く)が交付される

マル都医療券と自己負担限度額管理票(非課税世帯の方を除く)を、健康保険証などと一緒に医療機関の窓口に提示(「限度額適用・標準負担額減額認定証」をお持ちの方はあわせてこの証も窓口に提示)することで、医療券に記載されたB型肝炎ウイルスの治療にかかる医療費助成が受けられます。

ただし、お住まいの都道府県や市町村で手続や必要書類が異なることがあります。
詳しくは、ご自身がお住まいの地域の医療費助成に関するWebサイトをご確認ください。

東京都にお住いの場合は、以下のページより申請できます。

東京都における医療費助成の申請に必要な書類

東京都にお住まいの方が医療費助成の申請を行う場合、次のような書類を用意する必要があります。

  1. B型・C型ウイルス肝炎治療医療費助成申請書
  2. B型・C型ウイルス肝炎治療医療費助成に係る診断書
  3. 住民票(原本。続柄及び世帯全員が記載されたもの。発行から3か月以内のもの。)
  4. 健康保険証等の写し
  5. 高齢受給者証の写し(お持ちの方のみ)
  6. 住民票に記載された世帯全員分の区市町村民税の課税状況を証明するもの(満20歳未満の世帯員を除く。)。

下記のうちから世帯員ごとにいずれかの書類が必要です。

  • 区市町村民税課税又は非課税証明書
  • 区市町村民税納税通知書の写し
  • 区市町村民税決定通知書の写し

東京都福祉保健局 ホームページ「B型・C型ウイルス肝炎治療医療費助成制度」より抜粋

医療費助成とは別にB型肝炎給付金を受け取れる可能性がある

B型肝炎ウイルスに感染している方は、前述した医療費助成の制度とは別に、病態別に50万円から3,600万円の給付金を国から受け取れる制度をご存じですか?

下記の方々は、行政の医療費助成とは別に、B型肝炎給付金を受け取ることができます。

  1. 幼少期(満7歳になるまでの間)に受けた集団予防接種等が原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方
  2. 1の方からの二次感染者・三次感染者
  3. 1、2の方の相続人

B型肝炎の給付金制度について、以下で簡潔に解説していきます。

B型肝炎の給付金を受け取るには?

B型肝炎の給付金を受け取るためには、国に対して訴訟を起こし、国と和解する必要があります。
そして、国と和解するためには、以下の要件を満たしていることを示す必要があります(一次感染者の場合)。

  1. 昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までに生まれている
  2. B型肝炎ウイルスに持続感染している
  3. 満7歳になるまでに集団予防接種等を受けている
  4. 集団予防接種等(集団予防接種またはツベルクリン反応検査)以外の感染原因がないこと

B型肝炎給付金の支給対象者や、支給対象者であることを示す資料については、以下のページで詳しく解説しています。

受け取ることができるB型肝炎給付金の金額

給付金の金額は、症状ごとに決まっており、以下の表のようになっています。

病態 病態 給付金(20年経過前) 給付金(20年経過後)
・死亡
・肝がん
・肝硬変(重度)
3,600万円 900万円
肝硬変(軽度) 2,500万円 現に治療を受けている方等
→600万円
上記以外の方
→300万円
慢性肝炎 1,250万円 現に治療を受けている方等
→300万円
上記以外の方
→150万円
無症候性キャリア 600万円 50万円
+和解後の定期検査費用等

上記の表で触れている20年とは、病態ごとに起算点が異なり、以下の日付から数え始めることになります。

肝炎を発症している方

  • 肝炎を発症した日(肝がんの再発時や陰性慢性肝炎の発症時が起算点となる場合もある)
  • B型肝炎ウイルスに起因して亡くなられた方については亡くなられた日

無症候性キャリアの方

  • 一次感染者の場合は集団予防接種等を受けた日等
  • 母子感染の場合は出生日等
  • 父子感染の場合は満7歳の誕生日の前日、B型肝炎ウイルスへの感染を確認した日のうち早いほうの日

B型肝炎給付金の請求は弁護士へご相談ください

B型肝炎給付金を受け取るためには、提訴に必要な医療記録や戸籍などを揃えたり裁判所に提出するための訴状を作成したり する必要があります。

資料収集や訴状の作成には、法律の知識や医療の知識も必要なので、簡単なものではありません。

B型肝炎訴訟の経験が豊富な弁護士に依頼をすることで、弁護士から資料収集について説明を受けることができます。法律事務所によっては、弁護士が代わりに資料収集を行ってくれるところもあります。

また、弁護士が代理人として、裁判所へ提出するための訴状等を作成し、裁判所への出廷も本人に代わり行ってもらえます。

アディーレは相談無料で着手金もかかりません

アディーレは何度でも相談無料で、原則として、給付金の受取りまで弁護士費用はかかりません。

費用の心配をせず、まずは相談して1人でも多くの方に給付金を受け取ってほしいという思いから、このような費用体系となっております。

さらに、もし和解に至らなかった場合には、原則、弁護士費用が発生しない保証もあります。

保証があることで、「弁護士費用が心配…」「うまくいかなかった場合に損をしてしまうのでは」という不安も取り除けるのではないでしょうか?

まとめ

いかがでしたか? バラクルードやB型肝炎に関する医療費助成やB型肝炎の給付金制度について解説してきました。

「バラクルードの服用はいつまで続くのか」と不安に感じる方も多いと思いますが、服用を中止すると、肝炎が再発したり、場合によっては重症化したりするリスクがあります。

そのため、バラクルードの服用を中止する際は、必ず医師に相談のうえ、判断に従ってください。

長期間にわたり服用が必要なバラクルードですが、医療費助成の対象となっていますので、一定の負担額だけでの治療をすることができます。

また、バラクルードを服用している方のなかには、B型肝炎の給付金を受け取れる可能性がある方もいらっしゃいます。これを受け取ることによって、治療の経済的負担をさらに減らすこともできます。

アディーレ法律事務所は、B型肝炎訴訟の経験豊富な弁護士が在籍しております。相談料は無料ですので、「私も対象なのでは?」と気になる方は一度、お気軽にお電話でご相談ください。

監修者情報

大西 亜希子

弁護士

大西 亜希子

おおにし あきこ

資格
弁護士,行政書士(有資格),肝炎医療コーディネーター※
※地域により名称が異なります。
所属
東京弁護士会
出身大学
香川大学法学部,広島修道大学法科大学院,早稲田大学大学院法学研究科(修士課程)

何の落ち度もない方々が、B型肝炎ウイルスに感染し、その本当の原因もわからずご本人やそのご家族が辛く苦しい思いをされてきました。その方々を救済するためにB型肝炎訴訟の制度ができました。おひとりで悩まず、気になることはどんなことでもお気軽にご相談ください。皆様の心の支えになれるよう、常にご依頼者様の立場になって考え、B型肝炎訴訟のお手続きをさせていただきます。

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