「母子感染でもB型肝炎給付金を受け取れると聞いたけど本当なの?」
本記事では、そんな疑問を解決できます。
結論から言うと、母子感染の方も要件を満たしていればB型肝炎給付金を受け取ることができます。
そこで今回は、母子感染の方が給付金を受け取るための要件や、どのような資料を集める必要があるのかについて解説していきます。
母子感染の方もB型肝炎給付金を受け取れる可能性がある
国は、母子感染によりB型肝炎ウイルスに感染した方も、給付金支給の対象としています。
給付金支給の対象となる母子感染には、集団予防接種等で感染されたお母さまから母子感染した二次感染と、二次感染者であるお母さまから母子感染した三次感染があります。
三次感染の手続は、個々の事情によって集める資料などが変わってきますので、ここでは、二次感染の母子感染について、給付金を受け取るための要件などについて、詳しく解説していきます。
母子感染の方がB型肝炎訴訟の給付金を受け取るための要件
母子感染(二次感染)の方がB型肝炎給付金を受け取るための要件は、以下の3つです。
それぞれの要件の詳細について、解説していきます。
お母さまが一次感染者であると認めてもらうための要件とは?
お母さまが一次感染者であると認めてもらうためには、お母さまが以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までに生まれている
- B型肝炎ウイルスに持続感染している
- 満7歳になるまでに集団予防接種等を受けている
- 集団予防接種等(集団予防接種またはツベルクリン反応検査)以外の感染原因がない
「母が集団予防接種等を受けていたことは、どうすればわかるの?」など一次感染者の要件や手続については、以下のページで詳しく解説しています。
自分がB型肝炎ウイルスに持続感染しているのはどうやってわかる?
お母さまがB型肝炎ウイルスに持続感染していることに加え、ご自身もB型肝炎ウイルスに持続感染していることを証明する必要があります。
持続感染とは、B型肝炎ウイルスが体内から排除されず、長期間(6ヵ月以上)にわたって感染し続けることをいいます。
B型肝炎ウイルスに持続感染しているかどうかを調べるためには、医療機関等で検査を受ける必要があります。以下の1または2に当てはまる場合は、B型肝炎ウイルスに持続感染している(または持続感染していた)とされます。
B型肝炎ウイルスに持続感染していることを証明するための検査を受けられる医療機関の一部は、以下のページで紹介しています。
なお、B型肝炎訴訟においては、以上の1または2の血液検査結果がない場合でも、医学的な知見を踏まえた個別の判断により持続感染が認められる場合もあります(例としてはHBs抗原陽性1回分の血液検査結果しか残っていないが、1回目の血液検査から半年以内に亡くなられた場合など)。
感染原因が母子感染であることをどうやって証明する?
母子感染であることを証明するためには、以下のいずれかの資料が必要になります。
- ご自身の出生時にB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを示す資料
- ご自身とお母さまのB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査結果
- 母子感染以外の感染原因が存在しないことを示す資料
それぞれ、どのような資料なのか解説していきます。
ご自身が出生してすでにB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを示す資料
出生直後のHBs抗原が陽性の血液検査など、出生直後にB型肝炎ウイルスに感染していたことがわかる資料です。
出生した医療機関や、出生後に通院した医療機関などに記録が残っているか確認します。
ご自身の母子手帳が残っている場合、母子手帳に感染していたことを示す記録が残っている場合もあります。
ご自身とお母さまのB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査の結果
HBV分子系統解析検査といい、B型肝炎ウイルスの遺伝子の塩基配列を比較した検査です。
母と子のそれぞれの塩基の配列を比較して母子感染かどうか判断されます。因果関係が認められると母子感染を証明する資料となります。
なお、この検査は、母と子それぞれに一定のウイルス量が検出されないと「判定不能」という結果が出て母子感染の証拠にできません。
また、限られた医療機関にてお母さまとご自身が一緒に血液検査をする必要があります。
そのため、ほかの資料で証明可能な場合には、この検査を受けずに手続を進めることができます。
母子感染以外の感染原因が存在しないことを示す資料
母子感染以外の感染原因が存在しないことを示す資料とは、以下の資料を指します。
- ご自身の出生前におけるお母さまの感染力が弱くなかったとわかる資料
- ご自身が昭和60年12月31日以前に出生していることを示す資料
- 母子感染以外の原因で感染したと考えられる具体的記載のない医療記録等の資料
- ご自身のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAe以外であることを示す資料
- 父子感染を否定するための資料
具体的には、お母さまの医療記録、ご自身の戸籍、ご自身の医療記録、ご自身のジェノタイプ検査結果(不要の場合あり)、お父様の血液検査結果(場合によってはお父様との分子系統解析検査)などです。
実際に、どこでどのような資料を収集する必要があるかについては、弁護士にご相談することで、アドバイスを受けられます。
アディーレでは、資料が見つからない場合も、代わりとなる資料の収集を提出し、和解に至った事例が多数存在します。
母子感染の方が受け取れる給付金額
母子感染においても、一次感染者の方と同じ額の給付金を受け取ることができます。
具体的な給付金額は以下のとおりです。
症状 | 給付金(20年経過前) | 給付金(20年経過後) |
---|---|---|
・死亡 ・肝がん ・肝硬変(重度) |
3,600万円 | 900万円 |
肝硬変(軽度) | 2,500万円 | 現に治療を受けている方等 →600万円 上記以外の方 →300万円 |
慢性肝炎 | 1,250万円 | 現に治療を受けている方等 →300万円 上記以外の方 →150万円 |
無症候性キャリア | 600万円 | 50万円 +和解後の定期検査費用等 |
上記の表で触れている20年経過とは、以下の日付から数え始めることになります。
■無症候性キャリアの方
- 母子感染の場合は出生日
■発症している方
- 病気を発症した日(肝がんや慢性肝炎は再発したときを起算点とできる場合もあります)
- B型肝炎ウイルスに起因して亡くなられた方については亡くなられた日
弁護士に相談してからB型肝炎給付金を受け取るまでの流れ
アディーレに依頼すると、以下のような流れでB型肝炎給付金を受け取ることになります。
それぞれの手順ごとに、どのようなことを行っていくのかなど、詳しい流れは以下で解説しています。
母子感染の方のB型肝炎訴訟はアディーレにお任せください
母子感染の方の場合、一次感染者であるお母さまがB型肝炎であることを証明する資料に加えて、ご自身が母子感染していることを証明することが必要です。
そのため、一次感染の方と比べて、資料収集の負担が大きくなってしまいます。
アディーレは、「資料集めが大変だから…」という理由で、給付金の受取りを諦めてほしくないという思いから、B型肝炎訴訟に必要な資料の収集を代わりに行っています。
母子感染の方の和解実績もあり、資料収集のアドバイスなど、和解実績が豊富だからこそできるサポートもあります。ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
母子感染の方もB型肝炎給付金を受け取れるのかということを解説してきました。
母子感染(二次感染)における給付金支給の要件は以下のようになります。
- お母さまが一次感染者の要件を満たしている
- ご自身がB型肝炎ウイルスに持続感染している
- ご自身のB型肝炎ウイルスの感染原因が母子感染である
健康診断などで、B型肝炎ウイルスに感染している(または感染していた)と診断された方は、一度アディーレに相談してみませんか?
「もしかしたら私も受け取れるかも?」と、B型肝炎給付金の受給対象であるかどうか、少しでも気になられている方のご相談を受け付けております。
ご相談は何度でも無料ですので、お気軽にお問合せください。
監修者情報
- 資格
- 弁護士,行政書士(有資格),肝炎医療コーディネーター※
※地域により名称が異なります。 - 所属
- 東京弁護士会
- 出身大学
- 香川大学法学部,広島修道大学法科大学院,早稲田大学大学院法学研究科(修士課程)
何の落ち度もない方々が、B型肝炎ウイルスに感染し、その本当の原因もわからずご本人やそのご家族が辛く苦しい思いをされてきました。その方々を救済するためにB型肝炎訴訟の制度ができました。おひとりで悩まず、気になることはどんなことでもお気軽にご相談ください。皆様の心の支えになれるよう、常にご依頼者様の立場になって考え、B型肝炎訴訟のお手続きをさせていただきます。